はじめに
シャドーイングは英語学習法として広く知られていますが、初心者にとっては効果が薄いと感じることがあります。本記事では、シャドーイングのメリットとデメリットを解説し、初心者におすすめの勉強法を紹介します。
英語のシャドーイングとは?実はめちゃくちゃ効果がある!
シャドーイングとは、ネイティブスピーカーの発音を聞きながら、
ほぼ同時にその音声を真似して発音するトレーニング法です。
インプット(聞く)とアウトプット(話す)を同時に行うので、観察と実行を同時に行うことができます。
なので「シャドーイングは効果が高い」と一般的に言われています。
シャドーイングをより深く理解するために、次のように考えてみましょう。
料理番組を見ていて、シェフが料理の手順を説明しています。
その説明を待ってから自分で再現するのではなく、シェフの動きに合わせてリアルタイムで真似をするのと同じです。
同時に作業をすることで、
・シェフが言っていることを忘れない
・真似しやすい
・美味しいご飯が作れる
など様々なメリットがありますよね!
言語学習におけるシャドーイングも同様で、
ネイティブの英語を聞きながら一緒に英語を話すことで、
クオリティーの高い真似ができ、結果として上手な英語を話すことができるようになります。
シャドーイングのメリット
シャドーイングには4つのメリットがあります。
下記で詳しく解説します。
- リスニングスキルの向上
- 語彙・文法の定着
- リーディングスキルの向上
- スピーキングスキルの向上
リスニングスキルの向上
シャドーイングは、ネイティブスピーカーの音声に集中するので、音、リズム、イントネーションを聞き取る能力が向上します。
ニュースやインタビューをシャドーイングすることで、微妙な発音の違いや自然な話し方に慣れることができ、日常会話でもネイティブスピーカーの話を理解しやすくなります。
語彙・文法の定着
文章を繰り返し聞き、繰り返し発音することで、新しい語彙や文法構造が自然に身につきます。
楽器を練習するように、同じ曲を何度も演奏することで、楽譜を見なくても演奏できるようになるのと同じです。
シャドーイングも同様に、新しい単語や文法をアクティブメモリーに定着させるのに役立ちます。
リーディングスキルの向上
シャドーイングを通じて話し言葉に慣れることで、文章の構造やリズムを理解し、読解力も向上します。
シャドーイングすると、書かれたテキストでもよく見られる共通のフレーズや文の構成が認識できるようになり、文章がよりスムーズに理解できるようになります。
スピーキングスキルの向上
スピーキングスキルの向上も、シャドーイングのメリットの一つです。
ネイティブスピーカーを模倣することで、より正確な発音やイントネーション、リズムを学び、自然に話す力がつきます。
歌の練習のように、オリジナルの録音に合わせて練習することで、発音や音程、タイミングを合わせるのが上手くなるのと同じ原理です。
シャドーイングは効果なし?効果がないと言われている理由を解説します!
確かにシャドーイングにはメリットはありますが、一部では「効果がない」と言われています。
次のセクションでは「どうして効果がないと言われているか」を解説します!
英語をうまくスピーキングできていると錯覚するから
シャドーイングをしていると、実際には理解できていないのに「話せている」と感じることがあります。
「この単語どう言う意味なんだろう」
となっても、わからないまま進めてしまうパターンですね。
これは、ネイティブの音声に合わせて発音しているだけで、自分のスピーキング力が向上しているわけではないです。
日本語と同じで、意味のわからない単語は、日常の会話でも使いませんよね。
ネイティブスピーカーの「音」を聞き取れていないから
ただ音を真似するだけでは、微妙な発音の違いを聞き取ることができず、正確な音を再現するのが難しくなります。
例えば、英語にはいくつかの母音があり、非ネイティブスピーカーには似て聞こえるかもしれません。
シャドーイングをしていても、これらの微妙な違いに気づかないと、誤った発音が定着してしまいます。
英文の「意味」を理解できていないから
聞こえた音を繰り返すだけでは英語を話せるようにはなりません。
聞こえた英語の文脈と意味を理解することがシャドーイングをする上で重要です。
シャドーイングをしていると、会話のスピードが早いので
「なんか知らない単語があったけど、まあいっか!」
となってしまいがちです。
「なんか知らない単語がある」状態が積み重なってしまうので、
結果として英語力が伸びず「シャドーイングは意味ないよね。」となってしまうわけです。
自分の「発音」が間違っていても気づかないから
自分一人で真似をしているので、適切なフィードバックが受けられない可能性が高いです。
フィードバックがないと、誤った発音を続けてしまいます。
ネイティブスピーカーと自分の発音を比較しない限り、誤りに気づくのは難しいです。
例えば、英語の「th」音を正しく発音できない場合、日本人が自分で気づいて修正するのはかなり難しいです。
自分の練習を録音して、ネイティブスピーカーと比較したり、オンライン英会話などで先生に矯正してもらう必要があります。
シャドーイングが上級者向けである理由
インプットとアウトプットを同時に行うため難易度が高い
シャドーイングってよく聞きますが、実は難易度が高い技術なんですよね。
同時にリスニングとスピーキングを行うことは非常に難しく、両方のスキルがすでにある程度習得されている必要があります。
なので、「これから英語の勉強を始めます!」って言う人だと、訳がわからなくなってしまいます。
上級者は、語彙、文法、発音の基礎がしっかりしているため、シャドーイングをやったほうがいいですが
英語初心者に関しては、まずは単語を勉強しましょう!
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英語の音声と自分の声が混ざり曖昧な発声になる
ネイティブスピーカーの音声に過度に依存すると、自分の発声が不明瞭になり、はっきりと発音することが難しくなります。
「発音できている」気になっていただけで、実は発音できていなかったパターンですね。
英語上級者は、ネイティブスピーカーを模倣しながらも、明確で正確な発声を維持することができるため
シャドーイングの効果を最大限に引き出すことができます。
シャドーイングが効果を発揮するための条件!シャドーイングの正しいやり方は?
自分のレベルに合った音声の選択
自分の理解できるレベルの音声を選びましょう。
難しすぎると効果が半減します。
例えば、初心者は子供向けのストーリーや初心者レベルのポッドキャストから始め、中級者や上級者はニュース番組や会話型のポッドキャストでシャドーイングをすることをお勧めします!
英語の語順で理解できるように英文を意味の塊に分ける
英文を意味ごとに分けることで、内容を理解しやすくします。
例えば「The quick brown fox jumps over the lazy dog.」という文を
「The quick brown fox」と「jumps over the lazy dog」
に分けて練習します。
こうすることで、それぞれの部分の発音と意味に集中しやすくなり、全体の文章を組み合わせやすくなります。
長くて複雑な文章でも効果的です。
1文ずつ音読する:
まずは1文ずつ意味を理解しながら音読しましょう。
「この文、よくわからないけど、まあいっか!」
は絶対にNGです。
わからないを放置すると、一生わからないままになってしまいます。
私は実際に、下記のように一文を理解しています!
最初はゆっくりと、正確に発音し、その後徐々にスピードを上げていきます。
例えば、「She sells seashells by the seashore.」という文を、最初は「She… sells… sea… shells… by… the… sea… shore.」とゆっくりと発音し、その後自然な速さで言えるように練習します。
ちょっと遅れてシャドーイングする
ネイティブの音声と自分の音声を重ねて発音します。
これは「オーパーラッピング」と呼ばれる技術で、ネイティブスピーカーのすぐ後に続いて話すことです。
例えば、ネイティブスピーカーが「I went to the market」と言う場合、あなたは「I went to the market」を「went」の部分で始めます。これにより、音声のリズムやイントネーションを自然に合わせることができます。
音に集中しながらシャドーイングする
ネイティブスピーカーの発音の細部に注意を払いましょう。
英語には、単語や文の中で強調される音節とされない音節があります。
例えば、「present(贈り物)」の強調は最初の音節ですが、「present(示す)」の強調は2番目の音節です。
上記のような強調パターンを正確に模倣することも重要です。
音声の内容をイメージしながらシャドーイングする
聞いた内容を頭の中でイメージしながら発音すると、理解が深まります。
例えば、猫がマットの上に座っているという文をシャドーイングする場合
その内容を頭の中でイメージすることで、文がより記憶に残りやすく、再現しやすくなります。
録音したシャドーイングをチェックする:
自分の練習を録音し、元の音声と比較して改善点を見つけます。
録音を聞くことで、リアルタイムでは気づかない間違いを確認できます。
例えば、「th」の発音が異なっていたり、イントネーションがネイティブスピーカーと一致していないことに気づくことがあります。
定期的に録音をチェックすることで、効果的に改善しましょう
自分で気付けない場合は、オンライン英会話を受講し、先生に指摘してもらいましょう!
シャドーイングの代わりにおすすめの英語勉強法
英語の「母音・子音」を学ぶ
英語の基本的な音を学ぶことも重要です。
正確な発音は、母音と子音を正しく発音することから始まります。
英語には12の母音と24の子音があります。
大変ですが「それぞれの母音と子音がどのような発音なのか」
を正しく発音する方法を理解することが重要です。
発音チャートや発音ガイドなどのリソースが非常に役立ちます。
各音の録音を聞き、それを繰り返し発音する練習をします。
舌、唇、口の開け方に注意を払いましょう。
練習する際は、実際にYoutubeをみるのが良いです。
下記におすすめの動画を貼っておきますね!
リスニング上達に効果的な勉強法
一語一句ディクテーションをする
音声を聞き取り、それを文字に起こす練習をしてみましょう。
一言一句書き起こしができるとかなり良いです。
やり方に関しては。
短い音声を聞いて、聞こえたすべての単語を書き出します。
最初は簡単な短い文から始めましょう。
慣れてきたら、会話文もディクテーションしてみましょう!
海外ドラマを字幕なしで観る
お気に入りのドラマや、気になっている映画があれば、字幕なしで見てみましょう。
好きなものって、集中できますし、ずっとみちゃいますよね。
「字幕なし」でみるのがポイントです。
リスニングスキルを上げるには、字幕には頼らないようにしましょう。
スピーキング上達に効果的な勉強法
ネイティブの音声をしっかり聞く
定期的にネイティブスピーカーの音声を聞き、発音、アクセント、リズムを真似しましょう。
映画を見たり、ポッドキャストを聞いて、ネイティブスピーカーの話し方をしっかり確認し、どのようにイントネーション、強調、リズムを使っているかに注意を払いましょう
音読する
テキストを声に出して読むことで、発音と流暢さを鍛えます。
自分のレベルに合ったテキストを選び、徐々に難易度を上げていきます。
短い簡単な文から始め、徐々に長くて複雑な文章に進みましょう。
明瞭で正確な発音に集中し、言語の自然なリズムとイントネーションに注意を払いましょう。
スピーキング練習アプリを活用する
「人と話すのが恥ずかしい」
「英会話は高いなぁ」
上記の用に感じている方は、
スピーキング練習用のアプリを利用しましょう。
人ではなく、AIと会話し、フィードバックをもらうイメージです。
人気のあるアプリには、ネイティブスピーカーと練習できるHelloTalkや、AIによる発音修正を提供するELSA Speakなどがあります。
ぜひ試してみてください。
▽Hello talk
▽ELSA Speak
まとめ:シャドーイングは初心者にはハードルが高い。自分にあった学習法を!
シャドーイングは効果的なトレーニング法ですが、初心者には難易度が高いことが多く、基礎的なリスニングやスピーキングの練習法を取り入れることが重要です。
「シャドーイングやってるけど英語が伸びないなぁ」と言う人は、
・やり方が間違っていないか
・基礎が疎かになっていないか
上記二点を確認してみましょう。